【FGOSS】アナスタシア怪文書「凍結」【アナスタシアSS】|ぐらんどお~だ~ちゃんねる

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【FGOSS】アナスタシア怪文書「凍結」【アナスタシアSS】

2020.03.29 FGO怪文書 (0)

【FGOSS】アナスタシア怪文書「凍結」【アナスタシアSS】
アナスタシア
1: FGO民
今日は特異点の修復任務だった。カルデアは人理を維持するための組織だ。微小特異点ならともかく、ある程度以上の規模の特異点が発生した時には対処しなければならない。もし仮にこの戦いが終わったとしても、放置していた特異点が原因で人理が崩壊してしまったら元も子もない。目下の最優先課題が異聞帯切除なのは確かだけど、だからといって特異点の攻略を疎かにしていいわけではなかった。だから、異聞帯切除作戦の合間にも、今日みたいに特異点修復が行われることはよくある。
そして、人理を揺るがす規模の特異点ともなればその危険は微小特異点よりもはるかに増す。今日だって、マスターは負傷を負って、今この医務室で眠っている。傷は魔術のおかげですぐに塞がりはする。だけど心や体力はそういう訳にもいかないので、しっかりと睡眠をとって休むことが大切だ。

2: FGO民
きゅ、とマスターの手を優しく握る。私の手とは違って、大きくて、ごつごつしてるけれど、なんだかそれが心地いい。この手に触れると、心から安心できる。でも、触っていて気づくこともある。この手は、傷跡だらけだ。いや、手だけじゃない。点滴を繋がれた腕も、病衣から覗く胸元も、古傷でいっぱいだった。全部、この戦いの中で出来たもの。カルデアに来る前は、こんなものとも無縁だったはずなのに。
パシュッという軽快な音がする。自動扉の開閉音だ。ふとそちらを見てみると、そこにはマシュが立っていた。
「あ……。こちらにいらっしゃったんですね、アナスタシアさん」
「ええ、マスターの看病を、と思って。マシュもそうかしら?」
「ええ、先輩のご様子はどんなものかと気になりまして」
隣失礼しますね、と言いながら椅子に腰かけるマシュ。その体には傷を処置した跡がいくつかある。回復が早いのは、デミ・サーヴァントだからか。
「それで、どうですか?先輩は」
「ええ。今はすっかり落ち着いていて、薬の効果もあってかぐっすりよ」
バイタルは十分安定している。あとは疲れを取れば、自然と目覚めるだろう。

3: FGO民
「そうですか……。良かった、まだ倒れるわけにはいきませんから」
「……ええ、そうね」
「はい。私たちの世界を取り戻すための戦いはまだ終わってません」
そう。まだまだ先は長い。クリプターを倒して、異星の神も倒す。その合間に、微小特異点も攻略しなければいけない。当分は、戦いの日々が続いてしまうだろう。
「じゃあ、マシュも早く休んだほうが良いんじゃないかしら。デミ・サーヴァントって言っても、疲労も傷もまだ残ってるでしょう?」
「そうですね。先輩の顔も見ましたし、お言葉に甘えて私も今日は早めに休ませてもらいます。アナスタシアさんは?」
「私もう少しだけマスターの様子を見ています。サーヴァントに睡眠は本来必要ないしね」
「そうですか。それではお休みなさい、アナスタシアさん、先輩」
「ええ。おやすみなさい、マシュ」

4: FGO民
「ええ。おやすみなさい、マシュ」
また、私とマスターだけになる。二人きりは嬉しいけど、でも、貴方が傷だらけになるのはとても悲しい。そして、これからも傷ついていかないといけない。無傷で乗り越えられるほど、異聞帯切除も、特異点攻略も簡単じゃない。それに、傷つくのは身体だけじゃない。だって、異聞帯を切除するということは、そこに生きる人たちごと葬るということ。英霊でもないこの人には、到底耐えきれるものではない痛みのはずだ。それを、合計で七度繰り返さないといけない。
世界は、余りにも残酷だ。

翌朝。いつもは賑やかなノウム・カルデアだけど、今日に限っては静まり返っている。歩けばコツコツとなる自分の靴の音しか、聞こえてこない。まるで世界の時間が止まったかのようだった。
そんな感傷に浸っていると、遠くから重い足音が聞こえてくる。そのリズムの速さから、誰かが走っていることが窺える。足音はどんどん近づいており、こっちに向かってくる様子。
果たしてその足音の持ち主はマシュだった。オルテナウスを身につけ、戦闘の準備は万端といったところだ。

5: FGO民
「あら。おはよう、マシュ。今朝は早いのね」
「……して……すか……」
「?何か言いましたか?」
「どうしてですかッ!」
突然の大きな声。それによって吐き出された息が白む。まあ、それも当然のことだった。だって、このノウム・カルデアは、そのほとんどが氷に覆われているからだった。

「なんで……。何でアナスタシアさんがカルデアを攻撃するんですか!?」

その疑問も無理はない。今までずっとカルデアを支えてきたサーヴァントが突然反旗を翻したのだ。混乱もすると思う。
「どうして一体こんなことを……。まさかまた異聞帯の――」
「それは違うわ、マシュ。私は、冬木からずっとあなたと一緒だったアナスタシアよ。これは私自身の意思です。異聞帯は関係ありません」
「だったら、尚更どうして――!」
「だって、私はもうこの世界を見限ったから」
「――え?」
意外そうな顔をするマシュ。何で突然、とでも思っているのだろうか。でも、私からすれば、ようやくと言ってもいいくらいだった。

6: FGO民
「実を言うとね。私、人理や世界がどうなったところで、あまり興味はなかったの」
そう。私は、人理の危機だから召喚に応えたわけではない。人類が滅んでしまったとしても、そうなってしまったものは仕方ない、と考えていた。
「私が召喚に応じたのは、マスターが私に似ていたから」
世界を救いたいとか、人類を救いたいとかじゃなくて、ただ大切な人たちと一緒に生きていきたいと考えていたから、私は彼に召喚された。家族と一緒に生きていたかっただけだった私は、彼の想いに共感したから。
「私が戦ってきたのは、大切な人を守りたかったから」
日々を過ごす中で、いつしか彼は私の中でその存在を大きくしていた。そして、同時に、今度こそ失いたくないと思ったから。
「でも、周囲は、世界は、運命は、彼が傷つくことを強要し続けた。そうでしょ?」
「それは……」

7: FGO民
俯くマシュ。どうやら、心当たりがあるみたい。それはそうだろう、カルデアに連れてこられたせいで、マスターの運命は狂ってしまった。ここに来なければ、あんな地獄を何度も味わうことはなかったから。
「そんな世界に、救われる価値はあるのかしら?私は、大切な人を苦しめる世界は、要らない。あの人間たちのように私から大切な人を奪おうとする人間は、救わない」
だから私は、私もマスターも傷つける世界を、終わらせる。
「……私には分かりません。世界すべてを恨んでしまうような気持ちなんて、知りませんから」
その手は、声は、震えてる。その感情は、怒りか、悲しみか。
「だけど!この世界を終わらせるわけにはいきません!だって、この世界は、私たちが、先輩が、あの人が、命を懸けてでも守った世界だから!」
「そう――」
オルテナウスの盾を構えるマシュ。ここから先は、もう会話の領域ではない。……もとより、そのつもりだ。
「バーニア、全力噴射――!」
背部バーニアから魔力を噴出し、急接近してくるマシュ。盾のバンカーボルトは、すでに装填済みだ。

8: FGO民
「ヴィイ」
私は一言、そう呟いた。瞬間、マシュの身体がピンボールのように弾き飛ばされる。なんということはない、ヴィイの腕で弾いただけだ。
「――ヴィイ」
続けて、もう一言。その瞬間、マシュの首から下が凍り付く。あまりにもあっけなく、決着が着いた。
「……そもそも疑問に思わなかったのかしら。カルデアを攻撃すれば、契約しているサーヴァントがそれを黙って見過ごすはずもない。なのに、なぜ私が無傷だったのかを」
確かに、現界に必要な魔力を担っているカルデアの電力炉を優先して潰しはした。だけど、それでもサーヴァントがすぐに消滅するわけでもない。戦闘続行や嘆息行動のスキルを持つサーヴァントはもちろん、そうではないサーヴァントもわずかな時間のみ戦闘を行うことはできる。
「その答えはこれよ」
そういって、私はヴィイからあるものを取り出す。それは超高密度の魔力リソース――聖杯だ。
「私はこのカルデアの中で唯一聖杯を持っているサーヴァント。甘く見ましたね」
「です、が……。それにしても、ここまでの力は、なかった……」
「足りないのなら、持ってくればいいだけよ」

9: FGO民
私は、ヴィイに取り込ませていた聖杯すべてを取り出す。その数、47個。私の霊基に組み込まれている聖杯も合わせて、今までカルデアが回収してきた聖杯52個の全てが、ここにある。一つで特異点を作り出すような代物がそれだけあれば、名だたる英霊豪傑、および偉大なる神霊であっても、物の数ではない。
「聖杯は厳重に保管・秘匿されていたようだけど、霊基に組み込まれた聖杯の共振と、ヴィイの魔眼をもってすればどうということはありません」
だから、私だけが聖杯を独占することができた。この魔力量があれば、電力炉を潰しても現界のための魔力の捻出も、逆に魔力切れに陥りかけているサーヴァントの撃退も、容易いことだった。マシュ一人に襲われたところで、どうということもないのも分かりきっていた。
「それじゃあ、ここまでよ。……おやすみなさい、マシュ」
そして、マシュの全身を氷が包み込んだ。僅かに感じていた熱が、一つ消える。
悲しくは、ない。悲しくなんか、ない。だって、私の心はもうとっくに凍り付かせているんだから。
ああ、でも、だからだろうか。両頬を伝うこの液体が、とっても熱く感じられた。

10: FGO民
「……あ、れ?……アナスタシア?」
「あら、目が覚めたのね?」
「そっか。俺、昨日特異点を修復して、その時の傷の治療をして、そのまま……」
「ええ、眠っていたわ。まだ疲れが取れていないようだから、もう少し寝ていたら?」
「でも、二度寝したなんてバレたら、怒られちゃうな」
「……大丈夫よ。貴方を怒る人なんて、いないもの」
「そうかな……。じゃあ、そうしようかな……」
「ええ、二度寝しましょう?そして、素敵な夢を見るの」
「夢……?」
「そう。誰も傷つけられない。誰も傷つかない。もう、傷つかなくていい。そんな夢よ」
「それは……いい夢、だね」
「ええ。だから……眠りましょう」
「うん、そうするよ……」

11: FGO民
薬が残っていたのか、意識もはっきりと覚醒していなかったマスターは、再び眠りに落ちる。そう。私たちは夢を見るだけ。まるで理想郷のような夢の世界に落ちていくだけ。この救う価値もないような世界に、別れを告げるだけだ。
死ぬわけじゃない。ただ、ずっとここで眠るだけ。身体も魂も、ずっとここにある。冥界やヴァルハラになんて行かせない。この世界にはもう縛らせない。
パキパキと、私たちの身体を氷が包んでいく。悲しくなんかない。むしろ嬉しい。だって、貴方とずっと一緒に居られるから。
強く、強く手を握る。何があっても絶対に離れないように。心と心で、繋がり合えるように。夢の世界で、二人でずっと一緒に居られるように。

12: FGO民
この日、ノウム・カルデアは、汎人類史は『凍結』した。

13: FGO民
こういうルート行きそうな英霊っていうと割と居る気がする…

14: FGO民
聖杯をいくつも取り込んだんだからアナスタシアも長くないだろうな…
まあ全部凍ってるし問題は無いだろうけど…

15: FGO民
何故人は推しのバッドエンドに魅かれるのか

16: FGO民
聖杯使えばマスター連れ去って世界の終わりまで…
って鯖は結構いるんだよなぁ…ナーサリーとかバニヤンとか
BBやアビーは聖杯無くてもやりそうだし(やったし)
おっきーにも不可能じゃないんだ…

17: FGO民
バッドエンドが…バッドエンドが多い…!

18: FGO民
皇女が考えて考えて至った結論が凍結だったのかな...

19: FGO民
氷の中で永遠になるエンドいい…

20: FGO民
槍王様も神性が高まりすぎたらぐだ男を槍の中にしまっちゃうのかな

21: FGO民
全部終わったら私があなたを幸せにしましょうぐらい言えるガッツある猛者はおらんのか

22: FGO民
カルデアが全鯖を座に返しても自力で来る奴が多過ぎる…

23: FGO民
単独顕現の性質状騒動を起こす直前に登場とかもできそうだな…

24: FGO民
アナスタシアはゲームだと使わないけど割とこれにぴったりの宝具も持ってるんだよな…

25: FGO民
魔力の問題解決するならどんな英霊でも想いのまま暴走できちゃうよな…


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