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【FGO怪文書】アナスタシア怪文書「ギルダレイホテル」【FGOSS】

2020.11.22 FGO怪文書 (0)

【FGO怪文書】アナスタシア怪文書「ギルダレイホテル」【FGOSS】
アナスタシア
1: FGO民
「今日さ、この街を見て回ってみない?」
ラスベガス、ギルダレイホテルにて。空調の効いた、刺すような陽射しとは無縁の快適な目覚めを迎えた私は、朝食の席でマスターにそう声をかけられた。
「ラスベガスを、ですか?」
「そう。七色勝負もあと少しだしね」
首を回して、今回の特異点の中心である北斎さんと伊織さんを見やる。彼女たちも食事をとっているところだった。
水着剣豪七色勝負。今回の事件も一区切りを迎えた。現在は微小特異点に残った最後の問題に挑む前の最後の休息を迎えている。
特異点を一緒に攻略してきたメンバーも最終決戦目前ということであるものは修行に励み己の腕を磨き、またあるものは普段通りのルーチンワークとしてカジノに、サバゲーに、怪盗稼業に、フィギュアショーに、とそれぞれ思い思いに過ごすことになっている。
まあ私はこの特異点の攻略には本格的に関わりはしないというスタンスを取っているのでカジノで遊んだりショーを鑑賞したりとラスベガスを満喫するつもりでいた。今もどこかに出かけようかと思っていたところに先のお誘いだった。マスターも、剣豪勝負そのものには割り込まないため、気分をリフレッシュさせるのだろうとは思っていたけど。
「そう。それはつまりデートのお誘いと受け取っても?」
「むしろそれ以外の何物でもないかな」
ちょっとからかってみようと魔が差して、少し挑発的な言葉を返してみる。けれど向こうは最初からそのつもりだったようで、すげなくあしらわれてしまう。イタズラが不発に終わったことはちょっと残念。でも、そんな小さな不満よりもデートに誘われて嬉しいという気持ちの方が大きいから、些細な感情として水に流す。
「……ああ、もしかしてそれでロイヤルブランドなんて着ているのかしら」
マスターの恰好に目をやる。昨日まで来ていた水着姿ではなく、黒を基調としたスーツ型の礼装……を、マスター曰くダヴィンチちゃんが夏用に調整したものなのだとか。
「そういうこと。ドレスコードのこともあるし、なによりお姫様の隣に並び立つのにふさわしい格好をしないとね」
「あら、お上手だこと。なら、私に恥をかかせないようなエスコートをしてくださると、そう期待してもいいのね?」
「イエス・ユア・ハイネス。今日という日が、忘れられないものとなることをお約束しましょう」
「ふふっ。もう、なんですか、それ」
マスターのなんだか恰好つけたような返事に笑いながらも、今日の予定を変更した。

「さて。改めて聞く必要もないと思うけど……自然保護区とか、グランドキャニオンとかには興味ある?」
「ない……とは言いませんが、できれば遠慮したいところですね。だってガッデムホットじゃない」
「そう言うと思った」
ホテルから街中へと繰り出した私たちは、連れ立ってストリートを歩く。最初はどこへ向かうのかと、デートプランを組んできたマスターに問いかけたところだ。
「まあ、こっちにも色々あるし、むしろ街中で済むのはこっちも都合がいいしね」
「? 都合、とは?」
「おっと、何でもないから気にしないで」
マスターの発言で気になった点を問いかけるけど、露骨にはぐらかされてしまう。まあ、無理に聞かないで欲しいことなんだろう。こっちとしても問い詰めるほど気になったわけでもないから、聞かないでおいたほうが良いんだろう。
「そう。ちなみに、だけど。もし私がここで『やっぱりグランドキャニオンを見に行ってみたい』と言い出したら、貴方は一体どうするのかしら」
聞かない代わりに、ちょっとしたイタズラ……というより、意地悪を言ってみる。もちろん、やっぱりそちらに行こうなんて気持ちはこれっぽっちもないのだけど、どんな答えを返すのかな、なんて気になった。別に朝食の時にからかおうとしてスルーされたのを根に持っていたわけじゃない。うん、ない。
ラスベガスからグランドキャニオンへ日帰りで行こうものなら飛行機はほぼ必須。それを当日に用意なんていうのは無理な話だろう。この無理難題を前に、マスターはどんな困った顔を見せてくれるのか、と期待してのことだった。
「その時はその時でアビーにお願いしてグランドキャニオンと空間を繋いでもらうかなぁ。一応声だけはかけておいたし」
だけど、そんな私の目論見をマスターはあっさりと切って捨てた。
「……その解答はズルじゃないかしら?」
「無理なものと分かってて、しかもその気もないのに聞いてくるのもズルいんじゃない?」
「む」
そう言われると返す言葉もないのだけど。でも、それはそれとしてイタズラが2回も不発に終わるのは悔しかった。
「もう、今日は私を楽しませてくれるんじゃなかったのかしら?」
「ごめん。どうか許してほしいな」
「じゃあ、はい」
私はマスターに手を差し出す。マスターも私の意図をすぐに汲み取ったようで、私の手を取り、繋いでくれる。
「暑くない?」
「私は確かに暑いのは苦手だけど。でも、貴方の熱は別よ。むしろ心地いいくらい」
「それは光栄なことで」
私たちは手を取り合い、喧噪溢れる街中へと歩みを進めていくのだった。
その後の私たちはショッピングモールで服やアクセサリを見繕ったり、レストランで食事をしたり、遊園地でアトラクションを楽しんだり。時にはカジノに立ち寄ってゲームを楽しんだりして。
そして今は――――シルク・ドゥ・ルカンのステージの上に立っている。なんとマスターが私を連れて舞台に飛び入りしたのだった。確かに以前アドリブが受けるから飛び入り歓迎と言っていたような記憶はある。けれど、まさかマスターが私を連れて飛び入りをするなんて。
アドリブで演じたのは氷の王女。心まで氷でできた彼女は、氷の国にやって来た主人公たちの行く手を阻むのだが、とある青年と出会った彼女は人の暖かさに触れ、心の氷が溶けだし、心温かな普通の少女になった。主人公たちの冒険の邪魔をしたお詫びとして旅の餞別を渡した彼女は、その後青年と仲睦まじく暮らした、という役どころ。セリフ回しもほぼアドリブだった割には、それなりの演技ができたと思う。
「お疲れさま、どうだった?」
「ええ、貴方に手を引かれて舞台に上がったときはちょっぴり困ったけど。でも、とても楽しかったです」
「途中からノリノリだったもんね。素人目にもいい演技だったと思うよ」
「ふふっ。褒めたところでありがとうの言葉くらいしか出ませんよ。まあ、一応女優の才能があると言われたことはありますから」
劇がまだ続く中、出番を終えた私たちは舞台袖で演じてみた感想をぶつけ合う。観客の前で即興劇なんて体験は初めてだったけど、無事成功に終わってよかったと人心地着く。そうしていると――――。
「来てくれてたんですか、義弟君に義妹ちゃん!もう、それならお義姉ちゃんにも一言かけてくれてもいいじゃありませんか!」
「あそぼ。あそぼ。あそぼ」
この特異点のホラーの象徴の接近を感じたので、私たちは足早にシルク・ドゥ・ルカンを去った。

シルク・ドゥ・ルカンを出るころにはもう大分遅い時間になっていて、太陽は地平線の陰に隠れてしまっていた。だけど、太陽が沈んだくらいじゃこの街の明るさは微塵も変わらなかった。不夜の街と称されるだけのことはある。まだまだそこらじゅうが活気に満ち溢れていた。
私たちはギルダレイホテルへの帰路を辿っている。昼間見た街中とは少し雰囲気の変わった街並みを眺めながら、今日という日の感慨に耽っていた。
「さて、ラスベガスの街中を色々と観光したわけだけど、お気に召したかな?」
「はい、とっても」
改めて思い返す。ショッピングも食事もアトラクションもと、盛りだくさんの一日だった。この街を満喫した、そう言っても差し支えないだろう。
ちらり、とマスターに視線を向けると、彼は笑顔を見せてくれた。それにつられるかのように、私も彼に微笑み返す。交わす言葉はないけど、それでもこうして繋がり合えてる気がする。いや、きっと気のせいではないのだろう。今までの二人の積み重ねは確かなものなんだから。
やがて、ギルダレイホテルへと辿り着く。楽しかったデートの1日も、これでおしまい。
「マスター、今日はありがとうございました。おかげでこの日が忘れられないものになりましたから」
振り返って、彼にお礼を告げる。彼は最初に言った言葉に違わず私を楽しませてくれた。それが凄く嬉しかった。……でも、実を言うと、私は貴方と過ごせればそれだけで幸せなのだけど、ね。
でも、私の言葉を聞いたマスターは「チッチッチ」と舌を鳴らしながら指を振った。
「勘違いしているようだけど、まだ今日という日は終わってないんだよね」
「え?」
「さあ、お手をどうぞ。着いてきて」
差し伸べられた手を言われるままに取り、マスターに手を引かれてホテルへと入っていく。向かう先は私たちの部屋――――ではなく大広間。そこに繋がる扉を開けた、その瞬間。
『お誕生日、おめでとう!』
パァン、という軽快な炸裂音と共に紙吹雪が舞い散る。そこは、パーティ会場で、カルデアの皆がいた。
「えっと、マスター、これは?」
そう私がマスターに問いかけると、彼はイタズラが成功した子供のように屈託のない笑顔を見せた。
「サプライズパーティってヤツ。ほら、今日はアナスタシアの誕生日でしょ?」
そう言われて気づく。サーヴァントとなってあまり意識していなかったけど、6月18日は、確かに私が生まれた日だ。
「何かしたいって思ってたのと、皆もアナスタシアのことを祝いたいって言ってたのもあってさ。じゃあ、普段からイタズラされてるんだし、その仕返しにサプライズパーティを開こうかなって。驚いてくれたようで何よりかな」
そう言いつつ、彼は懐から小箱を取り出す。私の首に手が回されると、私の胸元には薄青く輝く宝石のネックレスが下げられていた。
「これは俺からの誕生日プレゼント。宝石の輝きが、君の瞳の色にそっくりだったから」
そういえば、ショッピングの時に何か私に隠れて買っていた様子はあった。でもまさか、それが自分へのプレゼントだったなんて。
そして、朝にマスターが放った言葉の真意にようやく気付く。『都合』とは、このサプライズのことだったのだろう。
「さて、かなり驚いてくれてるみたいだけど。どうかな、普段とは逆に大掛かりなイタズラをし返された気持ちは」
「してやられた、というわけですね。あろうことか、この私が」
「そういうこと。どうかな、感想は?」
「そんなもの、言わなくても決まっているじゃないですか。――――ええ、嬉しいです。とても」
FGO民
皇女の誕生日怪文書です
FGO民
力作過ぎる…
FGO民
皇女様06/18が誕生日だったのか
近代の人物はそういうプロフィール残ってるから良いな…
FGO民
…ちょうど来月激重になるやつでは?
FGO民
>近代の人物はそういうプロフィール残ってるから良いな…
世界一誕生日が有名な人は2000年以上前だし…
FGO民
>…ちょうど来月激重になるやつでは?
ちょっとそのネタは扱いきれそうにない…
FGO民
目の色と同じ色の宝石送る鉄板シチュは良いものだ
FGO民
ちょうどファミ通に長文アンケート来てるな…


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