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【FGO怪文書】両儀式怪文書「死ななければ」【FGOSS】

2020.12.05 FGO怪文書 (1)

【FGO怪文書】両儀式怪文書「死ななければ」【FGOSS】
両儀式
1: FGO民
藤丸立香は死ななければならない。それが、カルデアとアトラス院が下した結論だった。
世界は救われた。しかし、その勝利は大きな犠牲を伴った。
度重なる戦いで、その身体は病と呪いに蝕まれ。
黒き銃身に吸い取られた運命力は戻ること能わず。
何らかの方法で身体を直したとしても、そのこころは二度とは元には戻らない。
手立てを尽くして彼を日常生活に戻したところで、その命は一月と続かず、苦痛に苛まれながら逝くことになる。
あるいは、複数回のレイシフトや英霊、ひいては神霊との多重契約を経験した彼の身体を求める魔術師たちに、
死よりも更に酷い運命に晒されてしまうかもしれない。そして最悪の場合、それは更に大きな火種になる可能性すらあった。
だから、そうなる前にカルデアが彼に安楽のうちに死を与え、身体を燃やし、魂すら念入りに消し去ってしまうこと。
記録を改竄し、初めから藤丸立香という人間などいなかったのだと世界を騙すこと。
それが、世界を二度救った人類最後のマスターに残された、最も『人道的』な最期だと、彼らは信じた。
もちろん、彼らとてそれを望んでいたわけではない。この戦いで藤丸立香が果たした役割は彼らが一番よく知っていたし、
その結論を下すことも、苦渋の決断、という生易しい言葉では足りない程痛みを伴うものだったはずだ。
けれど、事ここに至り、人理継続保障機関は、その役割を果たすために自らが擁したマスターを殺さねばならなかった。
……結局は、それが果たされることはなかった。 彼らが『合意』を得に、つまり彼に死を宣告しに行ったときには既に藤丸立香は忽然と居なくなっていたからだ。
直ちに捜索が行われ、その範囲はカルデア施設全体はもちろん、大陸全体、地球全体、ひいては特異点や虚数空間にまで及んだが、結局彼が発見されることはなかった。
藤丸立香は消えた。まるで最初から存在していなかったかのように。奇しくもそれは、カルデアが彼に用意していた最期の通りになった。
薄暗いベッドに横たわるマスターの背中には、世界を救ったばかりだというのに、相応の栄光や歓喜といったものは微塵もない。
ただ戦いに疲れ、摩耗し、弱っていくだけの一人の少年の姿だった。

「こんにちは、マスター」
「……式、さん?」
マスターが私の声に反応して、身体を起こす、しかし、その顔はこちらには向いていない。
「そこに…居るの?」
「マスター……あなた、目が……」
かつては青く澄んでいた彼の目が、今では灰色に濁ってしまっている。
この人は、人理のために本当に全てを捧げたのだ。それまでの人生も、人並みの幸せも、これからの未来も。
「どうして、ここに……」
ほぼ全てのサーヴァントがカルデアから退去した今、私がここにこうして居るのは単独顕現スキルの為せる業だ。
私がここにいる理由、それは。
「……聞いておきたいことがあるの」
かつて一度だけ聞いて、すぐに『冗談』に流した禁句。
それをもう一度言うためだけに、わざわざ境界の狭間からここまでやって来たのだ。
「あなたの望みは、何?」
いつかの雪景色が瞳の裏に浮かび上がる。
きっと、『彼』と同じように、このマスターにも叶えたい望みはないのだろう。もうすぐ死に行く彼に、未練や後悔はない。
もうすぐここにやってくる彼女が彼の死を宣告しに来ても、彼は何も言わず運命を受け入れるに違いない。
もう、かつてのように抗う力は残されていないのだから。
「……もう、そんなものはありません」
ああ、やっぱり。私は、いつもこうして------
「ああ、でも、やっぱり一つだけあります」
「え?」
「あなたの願いを、聞かせて欲しいな。 俺は式さんと結構長い事一緒にいたけれど、あなたのことはほとんど何も知らないんです。
俺を好きになってくれた式さんのために、何かをしてあげれたこともない。 だから、最後くらい、あなたの我儘を聞きたい。
もう、俺自身が持つ望みはないけれど……俺は、あなたにあなた自身の望みを叶えて欲しい」
そう言うと、彼はくたびれた顔を押しやってにっこりと微笑んだ。
私の望み。 それを私自身で叶えることが、何を意味するのか。それをマスターは知っているのだろうか。
それを聞こうと口を開きかけた時、扉の向こうからノックの音が聞こえた。
FGO民
「先輩……いらっしゃいますか? 少し……お話したいことがあるのですが……」
マスターにも私にも聞きなれた彼女の声。その声を聞いて、マスターの灰色の瞳が揺れる。
その瞳を見て、私は心を決めた。 あるいはそれは、私に降って湧いた、彼を殺そうとするカルデアに対する怒りだったのかもしれない。
あるいは、もっと幼稚な嫉妬だったのかもしれない。
だから、私は--------

彼女が不審を感じて扉を開いた時にはもう、私と立香は、この世界から消えていた。
雪が降っている。律儀に重力に従って落下する無数の結晶は、しかし重なり合って積み上がることはない。
逆に、露に溶けて消え去ることもない。 全てが整っていて、全てが凍っている。
そんな景色を眺めながら、立香がぽつりと呟いた。
「……最後のお別れくらい、言えばよかったかな」
そんな立香の袖を私は掴んで、
「……ダメよ。そんなことをされたら、きっと私は……あなたを離していたから」
混乱するだろうし、悲しみもするだろう。けれど、立香が消えたことは、結果としては彼らが望む通りの結果なのだ。
世は事もなし。 あの世界は何事もなかったかのように進んでいくに違いない。その顛末を見届けるほどの義理も興味も私にはなかった。
私は横から彼の青い瞳を覗き込む。 人理、汎人類史、人類、世界。そんなものは、この人の魂一つ分の価値だってなかった。
私が欲しかったもの、私が望んだもの。それは、ただ立香と暮らすことだった。
サーヴァントとして使役されることの楽しさ、強敵や見たことのない生物との斬り合い。そんなものは、この人と一緒に居る時の安らぎに比べれば、冗談のようなものだ。
私は座った彼に軽くもたかかりながら呟く。
「少し落ち着いたら……もっと素敵なところに住みましょう。ここは少し、寂しいから」
「うん」
「それと、いろんなところに行きたいわ。 特別な場所でなくたっていい。 ……ありきたりだけど、海とかどうかしら」
「うん」
「ああ、それにあなたのこともたくさん聞きたい。考えてみたら、私だってあなたのことはあまり知らないわ。 好きな服とか、本とか、食べ物とか。
平凡な物差しだけど、早めに知っておくのは大事よね。お互い」
「うん……ねえ、式さん」
「?」
「……ありがとう」
「……ええ、こちらこそ。ありがとう、立香」
そんなとりとめのない会話をしながら、二人で積もることも溶けることもない雪を眺めていた。ずっと。
FGO民
戦いが終わってお役御免になった元マスターを拉致する『両儀式』さん怪文書です
FGO民
絶望的な結末に向かって行っても何でも出来る人がこうやって手を取ってくれる選択肢があるのは実際救いだよね…
FGO民
ぐだは抱えてる厄ネタが多すぎてこうでもしないと本当に悲惨な目に遭いそうだけどどうなっていくんだろうね…
FGO民
実際もっと剣式さんのこと知りたい
きのこはやく
やくめ
FGO民
遂にやりやがった!
って言おうかと思ったけど「式」も立香くんもそのくらいしてもいいよ…
FGO民
>ぐだは抱えてる厄ネタが多すぎてこうでもしないと本当に悲惨な目に遭いそうだけどどうなっていくんだろうね…
ぶっちゃけ第二部以降は明らかに人が背負うには重すぎるモノを背負わざるを得なくなってるしね・・・
それこそアホくさいイベントですら中和できないレベルで
FGO民
>実際もっと剣式さんのこと知りたい
>きのこはやく
>やくめ
「両儀式の形を取ってる」だけの、万能者と言う名の敗北者
以上
って感じできのこは済ませそうなのが困る
剣式さんは文字通りの意味でぐだの見えざる懐刀ポジションだから尚更
FGO民
型月キャラは主人公以外は一般的に強ければ強いほど望むものを手に入れられない
AUOしかりビースト勢しかりBBしかり
んで最終的に小さい頃から虐げられて何も与えられてこなかったヒロインが最終的に勝ったりする
……今適当に考えついて言ったから当てはまらないかもしれない
FGO民
その人を犠牲に世界を活かすか
世界を犠牲にその人を活かすか
前者がカルデアで 後者が「式」
連れ去って何も無かった事に出来るのがアビーやSイシュ
でも誰でも何であってもマスターが望むものには届かない
FGO民
そういやアビーも銀の鍵の力使いこなしたら根源接続並みのチート性能発揮するんだっけ
FGO民
たぶんこの人ならマスターの記憶を消してカルデアどころか魔術すらなかったことにして自分だけちゃっかりマスターと結ばれるみたいなこともやろうと思えばできるけど
当のマスターは「どんなに辛い思い出でも手放したくない!」ってムネーモシュネーに言い放ったからな……
FGO民
元の世界も残してあるだけ大分有情
いや本当に
FGO民
エリちも式さん達に協力して貰って聖杯使えば或いは…
という規格外なレベル 半鯖なのに
ただしその場合もやっぱり武蔵ちゃん同様に世界から弾かれる
或いはどこにもいられなくなる可能性は高い
FGO民
>そういやアビーも銀の鍵の力使いこなしたら根源接続並みのチート性能発揮するんだっけ
幕間でマスターはこの先私の指先でも届かない空と虚空の狭間に旅立ってしまうって焦ってるからそこまでなんでもありじゃないみたいだ
FGO民
この結末に異を唱える英霊も山ほど居たろうにこうなったことを考えるとうn…
FGO民
多分此処の世界以外の『リツカ』はアビーや他の存在(神格)
に確保されて隔離されて保護されてるかもしれない
ゼルレッチも頭抱えるレベルで
FGO民
いいよね誰かが捨てるなら私が拾いましょうの精神
FGO民
こういうの好き
剣式さんとゆったりと過ごしてほしい

そしてぐだおにはかつての救った世界がふと頭に浮かんで曇っててほしい
FGO民
もし何か奇跡が起きて全くの健康体になりました!ってなっても
穏やかな生き方が出来るかと言われたら随分怪しいからな…
FGO民
心という器は一度壊れてしまえば二度とは…二度とは…
だからPTSDみたいになったぐだ男を剣式さんが甲斐甲斐しく介護することになりそう
FGO民
最後なんやかんやで擬似新婚生活送る気満々なの漏れ出ててかわいい


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No.1 No Name 14:39
きよひーにも単独顕現(追)とか付きませんかね


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